背中
愚息の少年サッカー。
本地区24チームで争う6枠の県大出場枠。(本地区から春の大会で優勝チームが出ていて、そのチームは出場権を得ているので実質7チーム)
前期のリーグで上位12チームには入った。
今行われている後期リーグはその上位で順位を争い、そのうち3チーム(春優勝チームを除く)が県大出場権を得て、残りの3枠を上位リーグの残り8チーム+下位チーム12チームの計20チームが3つのトーナメントに別れて1位のチームが県大出場権を得ることになる。
その後期リーグの初戦、我がチームはエースを鎖骨骨折でいきなり失うこととなった。
気丈にも、そのエースは退院直後から練習に顔を出し、試合でもユニフォームを纏いベンチに座る。
声を出し、鼓舞する。
その背中を見て、胸が熱くなる。
感動的な物語を夢想し、涙ぐんだりする。
メンバーにも、その思いをくみ取って欲しいと思うし、いっそうの覚悟を持って臨んで欲しいと思う。
でもね、それはどうも、大人の独りよがり、というか、俺自身が感動したいだけということに気が付く。
テレビでよくある感動ポルノばり。
渦中の奴らにとっては、自らが感動のネタではないだろうし、そもそも感動を提供するためにサッカーをやっている訳でも県大会出場を目指している訳でもなかろう。
そもそも、小学生のサッカー、いろいろな意味で彼らにとっては通過点に過ぎないはずだ。
それなりの高みを目指してサッカーを続けるもの、気楽に続けるもの、外のスポーツを選ぶもの、それ以外の道を目指すもの。
でもね、何かを感じ取ってるハズだ。
多分。
その上で、お父さんも楽しませて頂きます。
その背中を応援するのみ。
そして、その背中を見て何かを感じてもらうのみ。